まぐろ延縄漁法
まぐろ延縄漁法とは、餌を付けた釣り針を漁場に仕掛け、餌にマグロが喰い付くの待って、船の上へ取り込む漁法です。
今回は、日本のまぐろ延縄漁業で使われている餌について説明しましょう。
最近の日本のまぐろ延縄漁業では主要な餌として、イワシやムロアジ・イカが使われていますが、各漁船の漁労長さんの経験や漁場・ターゲットとしているマグロの性質などに応じて、それぞれ工夫して使われています。
日本のまぐろ延縄漁業で使われている餌の9割ほどが海外から輸入されたものです。
主としてベトナム、アルゼンチン、台湾、中国、インドネシアなどから輸入されています。
ひと昔前の日本のまぐろ延縄漁業では、サンマがよく使われていたのですが、時代の移り変わりとともにサンマに代わってイワシやムロアジなどの魚が使われるようになり、イカについても一時期よりは使用量が少なくなったものの、根強い人気があります。
イカに人気があるのは他の餌に比べて「餌持ち(餌が釣り針から落ちるまでの時間)」が良いことや、各漁船の漁労長さんの長年の経験から「マグロの喰い付きが良い」からだそうですが、値段が高いことから最近ではイカの使用が減る傾向にあります。
使われている餌の種類
日本のまぐろ延縄漁業で使われている餌は、各まぐろ漁船の漁労長の経験と餌の種類、操業する漁場によって違いますが、一尾あたり約17~23センチ、重さ120~230グラムのものが使われています。
日本のまぐろ延縄漁船は、漁場へ向けて出港する前に港で冷凍状態の餌を積み込みます。
約60~80尾入りのケースを8,000ケースほど積み込んでいきます。
使うエサの値段はその時の相場や魚種・産地によって違ってきますが、イカで1尾当り80~100円くらい、それ以外の魚で1尾20~35円くらいなので、積み込む餌が、全てイカ以外だとしても、出港前に、餌代だけで1,200~2,000万円の費用がかかることになり、とても大変な出費です。
まぐろの餌は高価ですが、まぐろ延縄漁船が積み込む餌は人間が食べているものと同じ、又は時にそれ以上に鮮度の良いもので、それくらい鮮度の良いものでないと釣り針から餌が落ちてしまい喰い付いてくれないのです。
餌代が「バカにならない」というので、一時期イカの形をしたスポーツ・フィッシングでいう、いわゆる「ソフト・ルアー」に似た疑似餌も開発され、試験的に試してみた漁船もありましたが、やはり本物の餌にはかなわないというので、普及しませんでした。
まぐろ延縄漁船は、漁場につくと積みこんだ冷凍の餌を解凍して、延縄の釣り針につけて漁場に仕掛けていきます。
この時に、うまく釣り針に餌をつけないと海中で餌が取れてしまってロスになってしまいます。
また、餌の付け方によってマグロの喰い付きが違い各漁船の漁労長が長年の経験と研究から得た知識を使って「如何に、餌を生きて泳いでいるように見せる」付け方ができるかなど、それぞれ工夫しながら餌を釣り針に付けています。
この餌の付け方は、長年の経験がないとマスターできず、漁労長も経験と研究を積み重ねた結果から得た最高の餌の付け方が有るようですよ!
かつおまぐろぽーたる事務局 鹿島