かつお・まぐろコラム

遠洋マグロ漁船乗組員が人命救助!!

遠洋マグロ漁船乗組員が人命救助!!

2021年5月14日、豪州西岸沖合でインドネシア漁船の遭難事故が発生。
当時海上の風速は約20m、波の高さは約4mの時化(しけ)で危険な状態。
その状況下で海上保安庁から事故現場近くに航行している漁船に沈没しかけているインドネシア船籍の漁船の救助要請が入った。
荒れる海原、悪天候のため救助を断念する船がある中で、遠洋マグロはえ縄船・第15福積丸は救助へ向かった。
事故現場までの距離は、第15福積丸の操業地点から約330kmもあり、さらに波風に煽られたため移動は難航した。丸1日かけてやっと到着した。
遭難海域では、既にインドネシア漁船はほぼ沈没しており、船外に出ていた乗組員は船の先端に辛うじてつかまっていたり救命ボートで漂っていたという。
第15福積丸は山崎漁労長の指揮により、救助は難航したが1時間以上かけてインドネシア船員20人の救助に成功した。第15福積丸の乗組員(24人)に被害はなかったという。

《写真: 第15福積丸の乗組員》

シーマンシップを発揮した第15福積丸

シーマンシップ(Seamanship)とは海上で活動する人の心掛けや教えを表す言葉です。
主に2つの意味として用いられているようです。
(以下、SEAMANSHIP CLABホームページより引用)

1.船乗りとしての技能
航海をするために必要な基本的技能で、運用術・航海術といったもの。
2.船乗りとしての資質・心がけ・マナー
慣海性、海上生活の順応性、心構え、精神的及び身体的の適応性などといった人格的なもの。
                                           ”
シーマンシップは、環境変化の激しい海上で活動し、海を越えて外国とのかかわりを持つ人々の指針となります。
急激な海と天候の変化による予想外の事態への適応・対処、大海原の中で限られた空間である船内生活を楽しめる精神力・体力・チームワークが求められます。
外国との交流もある場合は、相手国の文化を理解する視野と関係者とのコミュニケーション力が必要です。

今回、第15福積丸のご一同は厳しい条件下において、難しい決断や葛藤を乗り越えて、外国籍遭難漁船の乗組員を救助するという『シーマンシップ』を山崎漁労長の下に乗組員が一丸となて発揮してくれました。
2021年12月17日には海上保安庁長官から静岡県焼津市の船会社漁船乗組員らに感謝状が贈られました。
翌日12月18日朝日新聞デジタル記事のインタビューにおいて、第15福積丸の山崎漁労長は「当たり前のことをしただけ」とコメントされています。
我々は尊敬の念に堪えません。

《写真: 第15福積丸大漁旗》

遠洋かつおまぐろ漁業のプロフェッショナルとして乗組員デビューしませんか☆彡

海の上の仕事はやりがいがあり奥が深いです!!
遠洋かつお・まぐろ漁業の技術を磨き、船長や機関長の資格を取得すれば国内外の国際的に関われる機会にも恵まれます。
そして、遠洋かつおまぐろ漁船に乗船すれば未知の環境に対して先見性と挑戦、冷静な判断と迅速な行動力を鍛錬する環境があります。
海難事故は発生しないことが一番ですが、今回のような海難事故の連絡があった場合にもシーマンシップを発揮される資質が備わるでしょう。

「遠洋かつおまぐろ漁業の仕事ってどんな世界?」「遠洋漁業の漁師さんのお仕事ってどんな事するの?」など仕事の内容や乗船について質問や相談をしてみたいなと思っている若者は、お気軽に日本かつお・まぐろ漁業協同㈱のお問い合わせページからご相談ください(・∀・)!!
皆様からのご連絡をお待ちしております✉

《写真: 第15福積丸漁船》